【近い未来の介護予防】データ活用による健康管理の流れを知っておこう

今回はこれから訪れるであろう新しい介護予防の形を紹介したいと思います

最近よく言われる「AI」や「インターネット」、「データ」等を使った健康管理方法です

将来の社会の変化や技術革新を見越して制度改革が進んでいます

難しい言葉や図が出てきますが、できるだけシンプルに紹介していきたいと思います

急激な人口や社会構造の変化

高齢者割合・単身世帯の増加

出典:厚生労働省ホームページ 2019年3月未来イノベーションWG 未来イノベーションWGからのメッセージ資料より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000490549.pdf

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新しい健康管理や介護予防の流れが来ている要因の一つは人口構造の変化です

2040年の高齢者人口が一番増える時期の推測は以下の通りです

  • 2040年ごろまで高齢者人口の増加が進み、現役世代の人口は減少
  • 2040年ごろまでに100歳以上の人口が30万人以上に(2049年には51.4万人)
  • 2040に一人暮らしは39.4%(約4割)に
  • 大都市は人口流入により労働人口減少は限られるが高齢化が進む
  • 地方都市では人口減少により空き地が増える
  • 高齢者の消費が国内全体の消費の半分を占める

2060年には日本は高齢化率(全体に占める65歳以上の年齢)が40%弱の超超超高齢社会に突入することは避けられない状況です

100歳になって一人暮らしをしている可能性もある時代は現実味をおびています

2040年までに見込まれる技術の進展

高齢化と同時に急激な技術革新もこれからの大きな変化の一つです

後20年の間に実現可能が見込まれる技術は以下のように言われています

  • 高速道路での自動運転が可能に
  • 全国各地での無人自動運転が可能に
  • 音、視覚、GPS等の情報の収集、ナビや人とのやり取りに活用されるように
  • 複数ロボットが連携し、人の作業の多くを代わりに行えるように
  • 人のように歩くロボットがビジネスで活用される
  • 超大容量の情報伝達が可能となり、途切れる心配がなくなり、多くの機械ともつながる
  • 人間ができる理解に加え、人ができないデータ解釈・示唆が可能に
  • 大規模データを用いた最適な組み合わせになり、複雑な計算を超高速、高精度で行えるように

高齢化に対抗するように技術革新が私たちのイメージより速いスピードで進み、人の生き方や働き方、価値観を変えていくことが予想されています

健康・医療分野における技術の広がり

AIの活用により、日常生活データの分析から異常検知、兆候検知

これまでの技術は手術や診断等、医師の診療行為を行いやすくするものでしたが、高齢化が進む2040年に向けては予兆の検知や予防等、医師以外の幅広い分野への応用が進んできています

出典:厚生労働省ホームページ 2019年3月未来イノベーションWG 未来イノベーションWGからのメッセージ資料より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000490549.pdf

例えば、

〇腕にはめることで日々の活動や心拍、心電図、体温などが測れるスマートウォッチ

出典:厚生労働省ホームページ 2019年3月未来イノベーションWG 未来イノベーションWGからのメッセージ資料より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000490549.pdf

〇着ることで心電図や心拍が測れるスマートTシャツ

出典:厚生労働省ホームページ 2019年3月未来イノベーションWG 未来イノベーションWGからのメッセージ資料より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000490549.pdf

〇上腕に貼るだけで連続して血糖値が測れる測定器

出典:厚生労働省ホームページ 2019年3月未来イノベーションWG 未来イノベーションWGからのメッセージ資料より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000490549.

等があります

スマートウォッチ等はまだ個人の健康管理レベルですが、データ連動させる方向性が出てきています

日々の健康状態をデータで検知し、多くのデータを蓄積することで異常の早期発見や早期の治療、予防に役立てることが技術を活用してできるようになってきています

情報をデータ化しAIが判断サポートもしくは自動化

出典:厚生労働省ホームページ 2019年3月未来イノベーションWG 未来イノベーションWGからのメッセージ資料より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000490549.

今までは健康への関心は個人任せで健康への動機がある方が自発的に健康増進を図る形でした

これからは先ほどの健康を測定できるスマートウォッチや家電等が個人のデータを集めて

  1. AIがデータからアプリ等で健康増進のコーチをしてくれる
  2. 個人データからAIが予防に関する予測をしてくれる
  3. AIが医師の診療や治療、遠隔治療の手助けをする

等、人工知能が健康を支えてくる時代になってきます

大勢のデータも積み重ねているので適切な助言により、健康増進が測れるという流れです

個人任せでなく、AIがサポートすることで生活習慣病や認知症等の予防や早期発見、生活習慣病改善を図ることで医療費を抑制して高齢社会を乗り切ろうという国の施策です

これは日本だけでなく全世界的な流れにもなってきています

また、健康診断結果から、個人の健康状態に合わせた健康情報を届けるアプリ等を使い、健康増進を図る取り組み等は既に大企業を中心に始まっています

生活習慣病等は現役世代から予防することが大事ということも言えます

個人の人生の健康記録を整理してデータ活用する流れ

健康情報を電子記録として正確に把握する仕組みが進んでいる

出典:厚生労働省ホームページ 令和元年9月11日 国民の健康づくりに向けた
PHRの推進に関する検討会(第1回)総務省のPHRに関する取組 資料4より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000546637.pdf
出典:経済産業省ホームページ PHR(Personal Health Record)サービス
の利活用に向けた国の検討経緯についてより一部抜粋 URL:https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210219004/20210219004-3.pdf

先ほどまでは技術革新の流れを見てきましたが、次は個人のデータがどのように活用される方向か見ていきたいと思います

取り扱う健康の個人情報としては

  • 健康情報(学校、会社、行政の各種検診や予防接種歴等)
  • 医療情報(薬剤情報、一部の抗体検査、病院診察情報等)

です

国が考えているのは、人生の段階毎で受けてきた健康情報、服薬情報、いろいろな病院での検査等の情報を個人で把握しやすい確実な電子記録としてデータの倉庫(データサーバ)に集めることを検討しています

かなりの個人情報です。そのため、本人の同意を前提としています。

デジタルデータの保管先がマイナポータルというのも賛否両論生みそうな仕組みです

同意の場合は、アプリなどで健康データをいつでも確認できるようになります

実際の活用例①~介護と医療の連携モデル~

出典:厚生労働省ホームページ 令和元年9月11日 国民の健康づくりに向けた
PHRの推進に関する検討会(第1回)総務省のPHRに関する取組 資料4より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000546637.pdf

個人データの活用に同意した場合の医療機関等が活用する際のモデル事例です

図が見づらい方用に下にリンクを貼っておきますのでご確認ください

厚生労働省ホームページ 令和元年9月11日 国民の健康づくりに向けた PHRの推進に関する検討会(第1回)総務省のPHRに関する取組

図の流れを説明すると以下のような感じです

  1. 病名や検査データ、アレルギーや薬剤情報、介護記録等の情報履歴がかかりつけ連携アプリで読み込めるようになる
  2. 本人自身や家族がいつでも確認できる
  3. 別機関のデータを診察した医療機関や介護事業所にアプリで提示し、データを活用して医療や介護を受けることができる
  4. 災害時にデータを確認でき、迅速な対応が可能に

他の病院で診察した中で本人が認識した曖昧かもしれない情報ではなく、検査データ等根拠に基づいたデータ等正しい情報を元に診察を受けることができます

介護事業所も病院等に問い合わせる必要もなくなり、アプリから情報を確認することで医療情報に留意した介護サービス提供につながり、医療や介護の連携においての互いに省力化にもつながります

ただ、QRコード等で各機関の情報を読み込む必要があり、ある程度、本人がスマホ操作に慣れていないと難しい時代になるかもしれません

実際の活用例②~生活習慣病予防モデル~

出典:厚生労働省ホームページ 令和元年9月11日 国民の健康づくりに向けた
PHRの推進に関する検討会(第1回)総務省のPHRに関する取組 資料4より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000546637.pdf

続いてのモデル事例は生活習慣病予防のデータ活用モデル事例です

  1. 本人は日々の血圧、体重、脈数等のデータを測る(将来的にはスマートウォッチや測定器でデータを測る)
  2. 測ったデータがデータ倉庫(サーバ)に集められる
  3. データ倉庫(サーバ)には診察、検査、検診、薬剤情報なども集められる
  4. 本人は集まった情報を元に健康管理に努める
  5. 日々のデータが悪い場合は本人の同意を得た医療機関等に情報が届く
  6. 本人の同意を得て、医療機関等が早期の適切な指導を実施

先ほどの体に測定する器具をつけて健康管理ができることを紹介しましたが、そのデータをかかりつけ医等に届き、早く異常の発見が見つけられる仕組みです

今までの検診、薬剤情報等も把握した上で医療ができるので、適切な医療提供につながりやすいという仕組みです

この仕組みはモデル事例として既に4か所の市町村で実施されています

実際の活用例③~介護予防モデル~

出典:厚生労働省ホームページ 令和元年9月11日 国民の健康づくりに向けた
PHRの推進に関する検討会(第1回)総務省のPHRに関する取組 資料4より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000546637.pdf

続いてデータ活用の介護予防モデルです

  1. 元気高齢者がスマートウォッチや血圧計等を測定
  2. 自治体の検診データもデータ倉庫(サーバ)に集まる
  3. データが集まられ、介護予防手帳アプリにて日々のデータや外出の参加率等を分かりやすく確認でき、本人自身が提案等を元に介護予防を図る
  4. 本人の活動のデータ履歴を元に課題を抽出し、介護サービス事業所は介護予防サービスの提供を行い、介護予防を図る
  5. 高齢者の多くのデータは研究機関の分析にも使われ、自治体の地域性を加味した介護予防プログラムに反映される

数年後にはこんな時代がやってくるかもしれません

★自治体がリハビリ職を公民館等に派遣する介護予防の仕組みをまとめた記事も書いています

【あなたの街は?】元気な内からリハビリ職の助言を受けることができる新しい流れ

民間にも活用する動きもある

実は個人の健康データの取り組みを民間事業者に広げる流れも出てきています

既に生命保険会社等は健診データを提示してもらい、保険料を安くしたり、早めの指導を受けるようにする商品も出ています

既に生命保険会社等は健診データを提示してもらい、保険料を安くしたり、早めの指導を受けるようにする商品も出ています

しっかりとしてルールは決めた上で始める方向のようです

まとめ

流れは既に動き始めている

出典:経済産業省ホームページ 平成27年2⽉経済産業省商務情報政策局 IoT時代に対応したデータ経営2.0の促進のための論点について資料より一部抜粋

これはスマートウォッチやセンサー付き衣類の伸び具合を示したグラフです

スマートウォッチはまだ国の仕組みであるデータ連携されていなくても急速に販売数を増やしています(一番上の線です)

それだけ健康への関心は高いということだと思います。価格も3000円代から数万円単位と差があり、新しいタイプは心電図が測定できたり、心停止したら救急車を呼ぶ機能も出てきています

今回の国の施策は個人的にはどうしても個人情報の流出等の課題があり、日本の場合、安心できませんが調べていく中で共有したいと思い記事にしました

ただ、世界的にも流れは来ているので、まずはスマホ操作やスマートウォッチ等から慣れていった方がよさそうです

最後まで読んでくださりありがとうございます

★高齢になってからの初期相談は地域包括支援センターを覚えておくといいと思います

【実は身近な相談先】地域包括支援センターとは?