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【実は身近な相談先】関わりが深い地域包括支援センターの仕事や地域での役割について

ケアマネジャーについては皆さんも聞いたことがあると思いますが、地域包括支援センターはあまり聞き慣れないと思います

地域包括支援センターは様々な機関とつながり、様々な仕事をしているので、分かりづらい機関ですが、健康や生活の面で皆さんが健康で安心して暮らせるように支援してくれるお住まいの地域にとって大事な機関です

今回は地域包括支援センターが皆さんにどのように時に関わることがあるかを紹介したいと思います

地域包括支援センターの仕事内容とは

地域包括支援センターは様々な仕事をしている

出典:令和元年10月9日 社会保障審議会介護保険部会(第83回)地域支援事業等の更なる推進
<参考資料>より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000555623.pdf

地域包括支援センター(地域によっては違った名称の場合があります)の仕事内容は本当に多岐に渡ります

そして、とても分かりづらいです。同じ業界の方(例えば介護職の方)でもよく分からないと言う方は多いです

上の図は地域包括支援センターの業務割合をパーセントで示したものです

グラフは業務の名称も分かりづらいので少し砕いて地域包括支援センターの業務内容を表現してみます

  1. 介護保険サービスを定期的に利用している方の担当業務(要支援1,2の方等) 28%
  2. 65歳以上すべての方の相談窓口業務 22.4%
  3. 老人クラブ等、元気高齢者が集まる場所での介護予防教室、家族介護教室等 8.2%
  4. ケアマネジャー担当ケースの支援や地域の機関の連携や体制づくり支援 4.8%
  5. 高齢者虐待対応や成年後見制度、消費者被害等に関する制度を活用した支援 4.1%
  6. 地域住民や様々な機関を交えた会議の開催 3.4%
  7. その他の業務 27.2%

一つ一つ見ていきたいと細かく見ていきたいと思います

地域包括支援センターは3職種によるチームプレイ

出典:令和元年10月9日 社会保障審議会介護保険部会(第83回)地域支援事業等の更なる推進
<参考資料>より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000555623.pdf

高齢者の方が関わる地域包括支援センターの業務の説明の前に配置されている職種の紹介をしておきたいと思います

地域包括支援センターには3つの職種を配置することが決められています

  • 保健師等
  • 社会福祉士
  • 主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)

です。

それぞれ職種に強みがあります

保健師等は看護師も含み、看護知識や保健医療の知識に長けています

社会福祉士は相談の国家資格です。病院の相談員も持っている資格です。制度知識が豊富で相談援助に強く、地域づくりも得意分野です

主任介護支援専門員は介護支援専門員(ケアマネジャー)を5年以上経験した上で専門の追加研修を受けています。ケアマネジャー経験があるため、ケアマネジャーの相談役としても適しています。介護や医療機関にも詳しいです

先ほどの業務内容は3職種がそれぞれの特徴を活かし、連携することで地域に大切なポジションの業務をしています

母体は市が直接運営してたり、委託で社会福祉法人や医療法人が受託している場合が多いです

地域包括支援センターの仕事の5割は個別の相談業務

  • 介護保険サービスを定期的に利用している方の担当業務(要支援1,2の方等) 28%
  • 65歳以上すべての方の相談窓口業務 22.4%
  • 高齢者虐待対応や成年後見制度、消費者被害等に関する制度を活用した支援 4.1%

①介護保険サービスを定期的に利用している方の担当業務

②65歳以上すべての方の相談窓口業務

⑤高齢者虐待対応や成年後見制度、消費者被害等に関する制度を活用した支援

①②③の共通点は高齢者の個別相談への支援です。

①の介護保険の担当業務については、介護保険の認定の軽い方(要支援1や要支援2等)については、実は地域包括支援センターが管轄しています

★介護保険申請については以下の記事で紹介しています

【どんな仕組み?】介護保険申請や認定の流れとは

認定を受けた方の中で要支援1と要支援2の方の割合は約27%(平成29年4月末)

認知症はないけど、まだ歩ける状態だけど杖や歩行器が必要、家では伝い歩きをしている状態の方は要支援1か2程度です

実は要支援1、要支援2の方(事業対象者もですが、今回は難しくなるので省いています)地域包括支援センターが必ず関わっています。

ただ、直接担当する割合は約半数程度。(割合は全国的な平均の数字で市町村によって差異がけっこうあります)

担当しない場合は「委託」という形で担当業務をケアマネジャーにバトンタッチします。

しっかりした地域包括支援センターでは、委託という形でもしっかり最初に面接を行ってくれます(この辺りはセンターで差異があるのが現状のように思います)

目立たないが実は高齢者のよろず相談所

厚生労働省ホームページ 令和2年2月21日 社会保障審議会介護保険部会(第90回)介護保険制度の見直しに関する参考資料より一部抜粋 URL: https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000598363.pdf 

上の図は知っている相談先と相談したことのある介護の相談先です

赤枠で示しているようにケアマネジャーの方が認知度は高いです

委託という形で要支援1、要支援2の方も担当するため、実際の9割弱はケアマネージャーが実質、担当しているため、地域包括支援センターは目立たなくなっています

でも、実は地域包括支援センターは65歳以上の高齢者の相談窓口業務もしています

全ての高齢者を担当しているので、実はケアマネジャーより相談対象が広いです

ケアマネジャーはデイサービスやヘルパーなど毎月サービスを使っていないと報酬が発生しない事もあり、担当範囲が実は決まっています

対して、地域包括支援センターはケアマネージャーの対象範囲を補完するように、元気高齢者や足腰が弱り始めた方からの相談、認知症か悩んでいる段階での相談、消費者被害の相談、等、65歳以上の方のどんな相談を受けています

地域住民からごみ屋敷などの相談を受けることもあります

相談も本人からだけでなく、家族、地域住民、民生委員、近隣、知人等、多岐から相談を受けます

最近は家族が介護のため離職することも多くなっており、離職前に相談することで仕事を続けながら介護ができるよう支援してくれたりします

相談先の認知度は低いですが、相談対応件数は多く、内容も幅広いです(介護保険の認定を受けることができる40歳~64歳の方も対応しています)

実際、個人宅に訪問もよくするため、地域の何気ない情報にも詳しいのが地域包括支援センターの強みです

児童虐待の高齢者版の通報先にもなっている

地域包括支援センターは虐待の通報先にもなっています

児童虐待と同じ様に通報に関しては法律の規定があり、ケアマネジャーや民生委員、病院からの通報を受け、主たる判断をする市役所等と一緒に事実を確認して、内容に応じて虐待への解消の対応をします

虐待対応は介護負担が原因になっていることもあり、本人や家族の心理状態も不安定になっていることが多く、繊細な対応を求められます

暴力などにより痣ができている等、緊急な場合もあり、個別援助の高いスキルを求められることも多いです

中には年金の使い込みのような経済的な虐待の場合もあります

虐待を受ける方は認定を受けている方の場合もあれば、認定がない場合も当然あります

経験を積んだセンター職員は相談のスペシャリストが多いです

健康増進や介護予防も啓蒙している

  • 老人クラブ等、元気高齢者が集まる場所での介護予防教室、家族介護教室等 8.2%

今までは個別の援助や相談が5割を占め、中には相談スキルを求められる相談もあることを紹介しました

地域包括支援センターは相談以外にも健康講座のような業務もしています

市の教室、老人クラブやふれあいサロン、公民館等で集まっている趣味の教室等に出向いて、元気高齢者向けに介護予防や健康の講師もしています

市町村の保健センターと業務が重なる部分があり、活動内容は市町村によって差異はあります

最近はリハビリスタッフが地域に来てくれる事業も地区によっては始まっています

★リハビリスタッフが地域に来てくれることを書いた記事です

【あなたの街は?】元気な内からリハビリ職の助言を受けることができる新しい流れ

健康講座は先ほどの3職種の内、看護師や保健師を持っている職員が対応していることも多いです

他にも地域によっては家族介護教室や認知症の知識や対応講座(認定症サポーター講座)などを担当している地域包括支援センターもあります

地域に出て健康講座などを開く中で元気なうちから地域包括支援センターの名前を啓蒙するのも目的だったりします

ケアマネジャーの後方支援等も行っている

  • ケアマネジャー担当ケースの支援や地域の機関の連携や体制づくり支援 4.8%

地域包括支援センターは個別の相談から地域に出る業務も行いつつ、ケアマネジャーの後方支援も行っています

★ケアマネジャーについてはこちらの記事で紹介しています

【年齢層や支援内容は?】事前に知ることができるケアマネジャー(介護支援専門員)に相談できること

ケアマネジャーはサービスだけでなく、病院や薬局等との連携、高齢者の生活を支える民間サービスや地域独自の支え合いなど把握する必要があります

地域包括支援センターはケアマネジャーがよりよく担当の支援ができるような環境づくりもしています

研修や交流の場を企画したり、地域の課題を共有したりするので、そのため、高齢者やケアマネジャーだけでなく、多くの機関とつながっています

また、ケアマネジャーから個別の相談が来た場合は、支援の助言をしたり、時には一緒に訪問してくれることもあります

そういった時にはケアマネージャーが担当していても地域包括支援センターの職員と関わる場合もあります

地域特有の困りごとをまとめる役目もある

出典 厚生労働省ホームページ これからの地域づくり戦略より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/000490716.pdf
  • 地域住民や様々な機関を交えた会議の開催 3.4%

地域包括支援センターは市町村と連携して地域住民を交えた会議もしています

住んでいる地区は地区によってそれぞれ環境が違います

・スーパーが遠い

・電球交換等、何気ないことをしてくれる人がいない

・一人暮らしの高齢者の方が増えている

・坂道が多い

・高齢の方が集まる場所がない

・市町村の健康づくりの取り組みが遅れている

等、地域の困りごとには地域差があり、市町村の取り組みにも差が出始めています

高齢者の方が介護や支援が必要になっても地域で暮らし続けるには高齢者個人が抱えた生活のしづらさを地域全体で共有して、未来志向で話し合うことが大事です

話し合いから元気高齢者のボランティアや支え合い、地域に新しい集まりの場所ができることによって、足腰の弱い方の生活のしづらさが解消し、元気高齢者は生きがいづくりや結果的に健康増進につながることもあります

話し合いは地域の関係者(区長や民生委員、地域の協力者等)だけでなく、地域の介護サービス事業所や医療関係のスタッフにも参加してもらい、専門的な視点も交えて検討し、参加する方に地域の助け合いや支える仕組みが必要なことの考え方の土壌づくりを行います

個人を中心とした生活に時代は変わってきていますが、欧州などではこういった助け合いの文化を長年かけて築いています

日本も海外のマネしている面もありますが、実際、ここ数年の法改正と団塊世代の引退から地域貢献を希望している高齢者は増え、地域のつながりが再度、でき始めている所も増えています

また、地域だけでは難しい生活の困りごとを会議で明らかにして、市町村に伝えることで政策反映してもらえるよう投げかけを行ったりもしています

先ほどの健康講座だけでなく、地域の将来を見据えた会議も行い、実は地域にとっては大切な機関です

関連する別の業務も請け負っている

また、地域包括支援センターのその他の業務の割合も27.2%と多いです

理由は市町村からの委託で通常業務とは別の業務を請け負っているためです

具体的には、以下のような業務です

  • 医療と介護の連携(地域における医療と介護がうまく連携して一体的に提供ができるよう推進する業務)
  • 生活支援の充実、元気高齢者の活用等の地域づくり(様々な人々が連携し、多様な日常生活上の支援(家事、買い物等)の充実、高齢者の社会参加の推進を一体的に図る業務)
  • 認知症に対する総合支援(初期の段階で認知症による症状の悪化防止のための支援を行ったり、認知症の方やその疑いのあるかたに対して、総合的な支援を行うための事業)

の3つの業務です。業務の全部または一部を委託で請け負っています

先ほどから説明している業務の内容と近い内容のため、委託を受けることで効果的に高齢者の方が住みやすい生活環境を整える業務も行っています

まとめ

実は地域の高齢者の介護や健康を支える重要なセンター

今回は地域包括支援センターについて取り上げてみました

高齢者の生活や健康のため、様々な面から支えてくれる大事な機関という認識で実際はいいと思います

最初の相談先は地域包括支援センターか市役所と覚えておけば、入口に迷う事はないです

最後までお読みいただきありがとうございました

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