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【超高齢社会】身寄りがいない方へのケアマネジャーの役割とは

身寄りなしケースはケアマネジャーにとって対応量が増えるケースの一つです

ここ10年で高齢者世帯、独居世帯の方の支援が増え、以前より身寄りがないケースが増えてきたように思います

実は身寄りがない方が入院した際のガイドラインを医療機関向けに出していて、その中にケアマネジャーに関わる内容もあるので記事にしました

ケアマネの業務負担とガイドラインの要点、ガイドラインの中でのケアマネジャーの関わる部分をまとめています

身寄りなしケースのケアマネ業務は確実に増える

ケアマネジャーが業務以外でやむを得ず行ったこと

自治体独自サービスの代行申請 45.3%

介護や環境支援につながらない相談 40.0%

入院時の付き添い 30.4%

転倒時の緊急な対応 28.9%

医療介護福祉以外の行政機関への代理申請や手続き、書類の受け取り 28.9%

引用:第194回(R2.11.26)社保審-介護給付費分科会 居宅介護支援・介護予防支援の
報酬・基準について グラフ資料より抜粋加工 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000698288.pdf

上の順位はケアマネジャーが業務以外でやむを得ず行ったことのデータです(※PC、タブレットは画像をクリックすると大きくなります)

家族がいない、もしくは家族力が弱いことにより、上記の対応をすることになっている方は多いと思います

入院時については付き添いについて改正で加算がつくようになりましたが、微々たる金額でした

身寄りなしの方の支援はこの業務にプラスONされます

関連記事→ 【ケアマネ実務中心にまとめ】令和3年度介護報酬改定事項について

身寄りなしケースにおける病院側の困りごと

医療機関が通常家族もしくは身元保証団体に求めることは以下が挙げられます

  • 緊急連絡先
  • 入院計画書
  • 入院中に必要な物品を準備すること
  • 入院費
  • 退院支援
  • 遺体・遺品の引き取り
  • 葬儀に関すること

身寄りがない人とは、身寄りがない人だけでなく、家族や親族へ連絡がつかない状況にある人、家族の支援が得られない人とガイドラインには書いてあります

身寄りがない場合、上記の部分を本人の判断力の有無に応じて、本人の意思を尊重しながら考えていくことになります

ちなみに医療同意は本人しか本来できない事項となるのが本来の考え方です

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身寄りがない場合の具体的な対応

身寄りがない場合、緊急連絡先については、本人の判断能力や支援環境に応じて対応が変わってきます

  • 本人の判断力が十分な場合
  • 判断力が不十分で成年後見制度を利用している場合
  • 判断能力が不十分で成年後見制度を利用していない場合

それぞれの場合における考え方を見ていきたいと思います

本人の判断力が十分な場合

緊急連絡先に関すること

厚生労働省ホームページ:平成 30 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「医療現場における成年後見制度への理解及び病院が身元保証人に求める役割等の実態把握に関する研究」班 身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインより一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000516181.pdf

判断能力がある場合は本人の意思を尊重して、決めていくことになります

親族や知人など協力者が見つからない場合、

担当者へ連絡し、緊急時の対応をどのようにするか相談する

と記載されています

この場合、担当者にケアマネジャーの可能性が出てきます。入院していて給付がなくても担当しているので、病院から相談が入る流れになっています

入院中の必要な物品に関すること

入院生活に必要な衣類、洗面用具、タオル等を誰がどのように準備するかという点です

ガイドラインには、

本人の意向を確認した上で、自分で入院中に必要な物品の準備等が出来ない方の場合、
①緊急の連絡先の確認時に確認した身近な存在の人がいるときは、物品の準備等を行ってくれるかどうか相談して下さい。有償のボランティア団体の利用やリース等の利用も考えられます

と記載されています

①緊急の連絡先の確認時に確認した身近な存在とは親族、知人協力なければ、ケアマネジャーか包括になります

知人などの関係性を事前に確認して、本人に準備してもらうことは予防策の一つかもしれません

ガイドラインに沿って相談が入るので、ソーシャルワーカーさんによっては、「病院はできないので家から持ってきてほしい」とお願いされるかもしれないです

この辺りは病院によって差があります

管理人の地域ではたぶんケアマネジャーが「はい。それじゃあ、持っていきます」となる感じです

金銭があれば入院セットや有償サービスも使えるかもしれませんが、経済的に負担がある場合はどうなんでしょう?

また、救急車で運ばれた場合、家に通帳や印鑑、医療保険証や入院の減額証が残ったままの可能性もあります

あと、救急隊員はわざわざ、緊急の時に鍵を探して、家の窓の鍵もチェックして、丁寧に鍵を閉めてくれるのかというと微妙です

身寄りがない、家族力がないとそんなことも配慮しながら対応していくことが想定されます

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退院に関すること

厚生労働省ホームページ:平成 30 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「医療現場における成年後見制度への理解及び病院が身元保証人に求める役割等の実態把握に関する研究」班 身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインより一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000516181.pdf

判断力のある方で身寄りがない場合のフローチャートです

退院時、介護保険が必要であれば、ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談が来る流れです

この辺りは通常と同じ流れだからあまり違和感はないです

(死亡時の)遺体・遺品の引き取り、葬儀等に関すること

遺体の引き取りや葬儀等は市役所が対応することとなっています

ポイントは、

墓地、埋葬等に関する法律(抄)
第9条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは
死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。

住居地ではなく、死亡地の市町村長が埋葬、火葬を行うことになっていることです

判断能力が不十分で、成年後見制度を利用している場合

続いては判断能力が不十分で成年後見制度を利用している場合の医療機関の対応におけるケアマネジャーの関わる部分です

入院中に必要な物品の準備に関すること

ガイドラインには成年後見人がいる場合、以下のように書かれています

入院に必要な物品を準備する等の事実行為は成年後見人等の業務として行うものではありません。しかし、これらを行う有償サービスを手配するのは成年後見人等の業務に含まれます

身上監護・財産管理等、成年後見人等の一連の業務にあわせて、成年後見人等自らが入院中に必要な物品を準備している場合もあります。依頼したい具体的な内容を成年後見人等に伝え、相談します

  • 入院に必要な準備する等の事実行為は成年後見人等の業務ではない
  • しかし、サービスを手配するのは業務に含まれる

お金があれば、有償サービス手配をする、もしくは成年後見人自身に行ってもらう方向で確認しあうことがよい感じです。

でも、成年後見人等がケアマネジャーに依頼してきたエピソードを何度か聞いたことがあるので、もしかしたら、お金がない、後見人がケアマネジャーに依存的な場合は結果的に動くことになる可能性はありそうな感じがします

誰が後見人等に選任されるかにもよるかもしれません

入院中に必要な物品の準備に関すること

成年後見人等がついている場合は退院支援も少し流れが変わってきます

転院・退院する場合の医療・介護・福祉サービスの契約は成年後見人等の業務となります。退院後、本人にどのようなサービスが必要と考えられるのか、どのような選択肢がありうるのかについて、成年後見人等に説明します。
なお、成年後見人等は、居室の明け渡しや転院・退院の付き添いのような事実行為を成年後見人等の業務として行うものではありません。しかし、必要に応じてこれらを行うサービスを手配するのは成年後見人等の業務に含まれます

契約行為が成年後見人等の業務となることがあるため、ケアマネジャーのみで進められない点です

成年後見人等が本人にとって必要なサービスを代弁する役割のため、ケアマネジャーは病院や成年後見人等と連携し、契約等の調整も頭に入れていく必要があります

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判断能力が不十分で、成年後見制度を利用していない場合

厚生労働省ホームページ:平成 30 年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)「医療現場における成年後見制度への理解及び病院が身元保証人に求める役割等の実態把握に関する研究」班 身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドラインより一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000516181.pdf

フローチャートでは、親族、知人がいない、協力がない場合は市町村または地域包括支援センターに相談となっています

認知症で身寄りがなく介護保険を使っている場合は、成年後見制度か身元保証団体を利用している前提ということでしょうか

医療に係る意思決定が困難な場合に求められること

本人の意思確認が困難な場合、「プロセスガイドライン」の考え方を踏まえ、関係者や医療・ケアチームの中で慎重な判断を行うことになります

① 家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする

② 家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行う

③ 家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。

④ このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくものとする

医療に関する意思決定においては、病院の医療職だけでなく、成年後見人等やケアマネジャー、ホームヘルパーなど患者に係わる人が、繰り返し最善の方法に関して話合いを行うことが必要となります

意思決定においてはケアマネジャー、ヘルパー等患者に関わる人が繰り返し、最善の方法に関して話し合うことが必要とガイドラインには記載されています

プロセスガイドラインについては別記事で紹介したいと思っています

医療における意思決定ですが、ケアマネジャーも本人のために呼ばれる可能性があるということです

①の推定意思については、事前にエンディングノートやリビングウィルを本人に行ってもらっておくとと意思を推定しやすくなります

本人が乗り気でない場合は、定期的にモニタリング時に意向を確認して記録に残しておくこともいいかもしれません

まとめ

以上、身寄りなしガイドラインの中でケアマネジャーが関わりそうな内容をまとめてみました

今回の記事のまとめです

  • ケアマネ業務はただでさえ、業務外の仕事が多い
  • 身寄りなしケースは家族力の代行をケアマネジャーがする場合が想定される
  • 成年後見人等がいる場合、成年後見人等との連携も必要
  • 医療側の支援に協力する場面がある
  • ガイドラインの沿って進める流れができている
  • エンディングノートや協力者整理など、事前に対応した方がいいこともある

身寄りがなくても支援が必要な方には変わりないです

特定事業所は困難ケースを積極的に受け入れることも要件に入っていますが、それでも業務負担増は気になるところです

カイゴノートでは在宅支援者から見て必要な情報をブログで要点などまとめて挙げていきたいと思っています