ケアマネジメントの抜け漏れを防ぐことができる手引きについて

ケアマネジメントの質の向上に向けた取組を一層進める目的で「適切なケアマネジメント手法」の手引きの通知がされています。(介護保険最新情報Vol.992)

手引きの内容は基本的なケアと疾患などの状況によって共通化できる支援内容の知見を体系化して確認できるようにしているので、一部のケアマネジメントにとって役立つ面があります

今回は「適切なケアマネジメントの手引き」について元となった研究事業の内容も踏まえ、内容や感想を書きたいと思います





転職、求人情報ならリクルートの転職サイト
【リクナビNEXT】

ケアマネジメントの手引きが作成された背景

国が考えるケアマネジメントの課題やケアマネジメントの在り方

適切なケアマネジメントの手引きは研究事業やワーキンググループなどを検証を通じて作成に至っています

手引きの作成理由は色々書かれていますが、大まかには以下のような感じです

  • 高齢化等、社会環境変化により、介護支援専門員の専門的なケアマネジメントの質を確保する必要がある
  • ケアマネジメントプロセスにおけるアプローチ方法に差異が生じている
  • 支援内容の体系が整理されていないため、経験知に基づく実践となっている
  • 多職種連携によるチームでの個別支援が必要とされている

上記の背景から国のニッポン一億総活躍プランの10年工程(2016年~)の中で「適切なケアマネジメント手法の策定」を行うこととされ、今後も検証、修正がされる予定です

適切なケアマネジメントとは

研究事業における適切なケアマネジメントの考え方には、

  1. 尊厳を保持した将来にわたるQOLを維持・向上させるマネジメント
  2. セルフケアへの移行を見据えたマネジメント
  3. 資源開発の視点

と元々、介護支援専門員に求められている役割を推進していくような内容です

医療介護連携の推進

アセスメントをケアマネジャーのみで行うのでなく、インフォーマル資源や専門職と連携して行うことが重要とされ、医療連携の場で手引きの中の自己点検シートを使うことで「共通言語」を深めていくことも目指しているようです

介護支援専門員の基礎資格が介護福祉士が多く、医療資格でないため、手引きの確認項目は「基本的ケア」と「疾患別ケア」に分かれており、まず、基本的ケアの高齢者の機能や生理現象に重きを置いていて、自己点検シートもしっかり読むと参考になる内容でした

医療職と会話をしていくには、役立つ内容とも言えますが、自己で読むには一覧のため、細かすぎてかなり気合がいる感じです

活用場面としては、研修や地域ケア会議等も想定しているため、多職種連携等の研修の中で織り込んでもらえると吸収しやすい印象です

関連記事

令和3年度の介護保険の法改正において、ターミナルケア時のケアマネジメントにおいては、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に沿って取り組みを行うこととされました看取り対応は今後、増えていくことが想定され、ケ[…]

個別地域ケア会議への協力による資源開発

元々、介護支援専門員の個別地域ケア会議への協力が法文には書かれていましたが、地域ケア会議等への参加を通じた社会資源開発についても報告書において触れられています

また、社会資源については、セルフケアのための用具や情報提供、生活環境も資源になり得るとされ、介護保険サービスだけでなく、地域、家族、本人など広く、社会資源を見ていくことが重要らしいです
地域資源については、ケアマネジャーより地域包括支援センターや生活支援コーディネーターの方が情報やネットワークを持っていることが多く、職種との連携も資源として有効的と考えられそうです(地域によっては取り組みの差や委託先の違いがあります)
個別支援を通して生活課題を解決し、住民も含め、関係機関の協働を通した地域包括ケアシステムの構築や地域共生社会につながっていく感じです
制度のはざまで社会とつながりを持てず、地域と断絶されたり、生活困窮者が増えてくることは想定されています
個別支援からどのように地域に展開していくかはコミュニティワークやコミュティソーシャルワークの援助技術が参考になります
基本的な考え方を知っておくと、個別地域ケア会議等に提供する事例について理解が深まります
現在の法定研修では具体的な内容には触れられないため、以下の書籍などはおススメです
 

地域福祉論 (しっかり学べる社会福祉) [ 川島 ゆり子 ]

自己決定や意思決定支援の重要性

意思決定支援の重要性のついても触れられており、ここ数年、意思決定のガイドラインが多く出されていますが、認知症高齢者の増加、核家族化等から、この流れも大事になってきそうです

また、職業倫理についても触れられており、ガイドライン等がチームケアが活用されていくことで、利用者が置き去りにならないようなケアマネジメントが増えていくことを狙っている感じです

手引きが法改正うや最近のガイドライン等、政策的な動きと連動している印象です

関連記事

令和3年度の介護保険の法改正において、ターミナルケア時のケアマネジメントにおいては、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に沿って取り組みを行うこととされました看取り対応は今後、増えていくことが想定され、ケ[…]

「適切なケアマネジメント手法」の手引き

手引きは(株)日本総合研究所が調査事業やワーキンググループを通じて作成しています

2つのケアの体系化

大きく2つの支援内容の点から体系化がされています

  • 生活の基盤を支える共通して重視すべき「基本的ケア」(高齢者の機能と生理を踏まえたケア)
  • エビデンスがあり多職種連携の必要がある「疾患別ケア」(脳血管疾患、大腿骨頸部骨折、心疾患、認知症、誤嚥性肺炎の予防)

「基本ケア」をしっかり押さえた上で「疾患別ケア」別のケアを押さえるのが流れです

項目ごとに一体的に整理され、自己点検シートを使うことで、ケアプラン検討時の抜け漏れや多職種協働の推進、ケアプランの見直しの円滑化、想定される支援の見立てのあたりがつきやすくなる等が期待されるそうです

手引きの利用場面

以下の場面が挙げられていました

  • アセスメントやケアプラン原案作成
  • 事業所内や同行訪問での指導(OJT)
  • 地域包括支援センター、職能団体による相談支援や研修、地域包括ケア会議
  • 保険者(自治体)社会資源の整備に向けた検討

手引きは一定のケアマネジメント水準を確保するもので標準化でないそうです

また、当たり前ですけど、本人らしい生活の実現のための個別性のある支援の方が重要視されています

自己点検シートは手引き内にはない

手引きには実際の自己点検シートはないですが、分かりやすく読みやすく書かれています

自己点検シート案は(株)日本総合研究所ホームページの「適切なケアマネジメント手法 基本ケア及び疾患別ケア 令和2年度改訂版」に載っていました

無料会員登録はこちら

まとめ

今回は、介護保険最新情報から適切なケアマネジメント手法の手引きを紹介しました

→介護保険最新情報Vol.992 「適切なケアマネジメント手法の普及推進に向けた調査研究事業(令和2年度老人保健健康増進等事業)」の「手引き」について(情報提供)【その1】(WAMネットにリンクします)

【その1】となっているので、【その2】があるような感じです

ケアマネジャーは、ここ数年、ケアマネジメントにおいて求められているハードルが急に高くなった感じがしています

なんか鞭ばかりで飴もないと人材がいなくなってしまう感じもします

カイゴノートでは今後もケアマネジャーが実務において役立つ情報を探して要約して、少ない時間でポイントを押さえられるよう記事を書いていきたいと思っています

最後までお読みいただきありがとうございました