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【令和3年度法改正】ケアマネ実務に役立つ居宅療養管理指導の改正から見る連携や支援のポイント

法改正の時期は法文やQ&A等多くて大変ですよね

ソフトのバージョンアップ、加算によるプランの作り直し、変更点の読み込み、家族への説明等、改正時期はケアマネジャーの業務量が増えて大変です

法文や資料を読むのが苦手な方、時間が割けない方もいると思います

今回は令和3年4月に居宅療養管理指導の法改正が行われた背景を厚生労働省の会議資料などからピックアップし、改正内容のポイントとケアマネとの連携における影響や変化について紹介したいと思います

居宅療養管理指導とは

要介護状態となった場合でも、利用者が可能な限り居宅で、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医師、⻭科医師、薬剤師、管理栄養⼠⼜は⻭科衛⽣⼠等が、通院が困難な利用者の居宅を訪問して、心身の状況、置かれている環境等を把握し、それらを踏まえて療養上の管理及び指導を行うことにより、その者の療養生活の質の向上を図るもの。

とされています

平成30年度の法改正内容

医師、歯科医師、薬剤師への情報伝達

出典:厚生労働省ホームページ 第193回(R2.11.16)社保審-介護給付費分科会 居宅療養管理指導の
報酬・基準についてより一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000694886.pdf

平成30年に何気に医療介護連携についての改正は既にされています

訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリングの際に把握した利用者の状態像等について、ケアマネジャーから主治の医師や歯科医師、薬剤師に必要な情報伝達を行うことを義務付けしています

具体的には以下のような内容です

  • 薬が大量に余っている又は複数回分の薬を一度に服用している
  • 薬の服用を拒絶している
  • 使いきらないうちに新たに薬が処方されている
  • 口臭や口腔内出血がある
  • 体重の増減が推測される見た目の変化がある
  • 食事量や食事回数に変化がある
  • 下痢や便秘が続いている
  • 皮膚が乾燥していたり湿疹等がある
  • リハビリテーションの提供が必要と思われる状態にあるにも関わらず提供されていない

どれも早く医療機関につないだ方がいい状態ですね

でも、まだ情報提供ルールは定着していないのが現状です

ケアマネと医療関係者との情報共有

厚生労働省の会議資料では、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、薬剤師へのケアマネジャーからの情報提供の割合が示されていますが、まだ、半数以下の情報共有レベルです

また、情報提供により効果があることは示されています

  • 利用者の状態が改善した
  • 共有した情報がサービス提供に活かせた
  • 多職種連携でケアチームとしての支援ができた

等の効果はあるようです

ケアマネジャー側とすると知らない医療機関、歯科医師、薬剤師に対し、相手も知らないそうとなると情報提供にストレスを感じ、気が引けるのが実際の心情ではないでしょうか

保有資格の7割が介護福祉士のケアマネジャーの現状で医療機関との連携は慣れるまでは苦手意識があるのは否めないと思います

連携の仕組みがなければ、家族に受診を勧奨し、確実に医療に早期につなげる対応が多くなるは当然の反応は気がします

平成30年からの3年間で連絡の仕方や連絡先の整理、ICTの整備等、共通認識を持つためにしっかり医療介護連携した地域は情報共有の連携がしやすくなっているような気がしますね

在宅医療・介護介護連携推進事業をどこが担っているかですが、こういったケアマネジメント上の環境整備は地域包括支援センターの包括的継続的ケアマネジメント業務の一環の部分もありますね

増える居宅療養管理指導の数

増える薬剤師の在宅管理指導

出典:厚生労働省ホームページ 第193回(R2.11.16)社保審-介護給付費分科会 居宅療養管理指導の
報酬・基準についてより一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000694886.pdf

実際、在宅医療の流れや加算の仕組みもあり、介護保険での居宅療養管理指導は増えています

上の図は薬剤師の居宅療養管理指導件数の推移です。まあ意外と増えてますね

加算要件によるケアマネジャーとの共有義務

連携頻度が多い薬剤師の居宅管理療養指導の加算要件を挙げてみると、

薬局薬剤師が行う居宅療養管理指導については、医師又は歯科医師の指示に基づき、薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、また、医療機関の薬剤師が行う場合にあっては、医師又は歯科医師の指示に基づき、利用者の居宅を訪問して、薬歴管理、服薬指導、薬剤服用状況及び薬剤保管状況の確認等の薬学的管理指導を行い、提供した居宅療養管理指導の内容について、利用者又はその家族等に対して積極的に文書等にて提出するよう努め、速やかに記録(薬局薬剤師にあっては、薬剤服用歴の記録、医療機関の薬剤師にあっては、薬剤管理指導記録)を作成するとともに、医師又は歯科医師に報告した上で、ケアマネジャーに対するケアプランの作成等に必要な情報提供を行うこととする。ケアマネジャーへの情報提供がない場合には、算定できないこととなるため留意すること。

ケアマネジャーへの情報提供は加算要件となっています。他の専門職も同様です

在宅診療医師による情報提供は増えた印象がありますね

また、努力義務ですが、家族・本人に文書で指導内容を渡している場合があります

ケアマネジャーとしては訪問モニタリング時に指導内容を確認することはができますね

指導内容は専門用語が多いので、ある程度、医療知識も必要になっていきます

また、医師、歯科医師については、ケアマネジメントに活用されるようにする観点から様式が変更され、基本は主治医意見書と同じ様な書式に変わっています

リハビリは一体的が効果的

出典:厚生労働省ホームページ 第194回(R2.11.26)社保審-介護給付費分科会 自立支援・重度化防止の推進より一部抜粋 URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000698871.pdf

厚生労働省の資料では、リハビリだけでは効果が低く、栄養、口腔、リハビリの一体的な運用が大事と言っています

リハビリの負荷、活動量に応じて、必要なエネルギー量や栄養素を調整することが、筋力・持久力向上、ADL維持に重要らしいです

また、口腔嚥下機能を適切に評価することで、食事形態・摂取方法の提供、経口摂取の維持が可能になると書かれています

入院中で回復期病棟等は、以前からこのような支援の考えで患者支援していますね

在宅ではこの辺りをチームケアで補うことが大事で、今回の改正で栄養、口腔に対する加算が増えている流れがあります。居宅療養指導を利用する選択肢も利用者支援の考え方の一つです

また、厚生労働省の会議資料では、

在宅サービス利⽤⾼齢者のうち、低栄養(BMI 20未満)の者は、約4割
在宅サービス利⽤⾼齢者では、低栄養(BMI 20未満)の者は、そうでない者と⽐べて、2年後の死亡リスクが高いことが報告されている

と低栄養の方の状態低下リスクが指摘されています

アセスメント時に口腔や栄養状態の把握、支援環境の整備は大事な感じですね

今回の改正で管理栄養士による居宅療養管理指導については、当該事業所以外の他の医療機関、介護保険施設、日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」の管理栄養士が実施する場合の区分が新たに設定されています

医療的な支援より社会的な支援

イギリスでは社会的処方を重視

イギリスでは「社会的処方」の流れが出てきています

社会的処方は、医師が健康面の課題解決に薬を処方するのでなく、その背景に目を向け、地域の多様な社会資源の活用に結び付け、より患者が主体的に自立して生きていけるよう支援する取組みをいいます

例えば、不眠の患者の場合、不眠だから睡眠薬を処方するのではなく、不眠の原因に着目し配偶者の死による喪失感であれば、同じ配偶者を亡くした方同志が話を聞いてもらう場所等にいくことが大事なことを働きかけ、リンクワーカーを紹介し、リンクワーカーが地域の資源につなげることで患者自分の力で次のステップに行けるように支援していくことです

医師が結びつける先をリンクワーカーといい、地域の社会資源やネットワークにつよいソーシャルワーカー等につなげる動きです

地域の資源を活用する点が地域共生社会の仕組みと似ていますね

医師自身の診療の仕方が変わったり、リンクワーカー的な人がいないと進まないですが、とてもいい取り組みで個人的には広がっていってほしい施策です

社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法 [ 西 智弘 ]

今回の法改正では

必要に応じて、利用者の社会生活面の課題にも目を向け、地域社会における様々な支援へとつながるよう留意し、また、関連する情報については、ケアマネジャー等に提供するよう努めることとする

と医師、歯科医師向けに法文が足され、先ほどの書式の中でも社会生活面の欄ができています

まとめ

今回は居宅療養管理指導の改正事項をケアマネジャーとの関わりの変化と併せて、ポイントを挙げました

上記以外にもオンライン指導も可能になっているみたいです

今回の記事のまとめとしては、

  • ケアマネジャーから主治の医師や歯科医師、薬剤師に必要な情報伝達を行うことは浸透していない
  • ケアマネジャーから情報提供することで利用者やチームケアにプラスの効果はある
  • 居宅療養管理指導の件数は増えている(特に薬剤師)
  • 居宅療養管理指導はケアマネジャーへの情報提供が算定要件
  • リハビリは口腔・栄養を絡めた一体的な運用が効果的
  • 「社会的処方」の考えが盛り込まれている

です

マネジメント上、連携や調整先の制度が変われば、ケアマネジャーの仕事の仕方も変わってきます

うまく法改正後の環境に溶け込み、ストレスなく仕事をしたいものです

最後までお読みいただきありがとうございました

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