ケアマネ業務の負担を減らす軽微な変更等の内容のポイントまとめ

令和3年3月31日の介護保険最新情報 Vol.959に「居宅介護支援等に係る書類・事務手続や業務負担等の取扱い」が通知されました

通知の内容はケアプランの軽微な変更、暫定ケアプラン、介護予防支援について書かれていて、ケアマネジャーの業務削減や効率化においても重要な通知の一つです

ただ、通知は字が小さく、文字量も多いため、ケアマネジャー(介護支援専門員)実務に関わる部分を簡略化、整理してポイントを紹介したいと思います

※しっかり確認が必要な際は介護保険最新情報 Vol.959をご確認ください

厚生労働省ホームページ:介護保険最新情報 居宅介護支援等に係る書類・事務手続や業務負担等の取扱い Vol.959(WAMネットにリンク)



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目次

居宅介護支援・介護予防支援・サービス担当者会議・介護支援専門員に係る項目及び項目に対する取扱い

書類・事務手続や業務負担等の取扱いの通知における取り扱いは

  1. 居宅介護支援
  2. 介護予防支援
  3. ケアプランの軽微な変更の内容について(ケアプランの作成)
  4. ケアプランの軽微な変更の内容について(サービス担当者会議)
  5. 暫定ケアプランについて
  6. ケアプランの作成依頼(変更)届出書の様式の取扱い(活用)について

項目があり、それぞれの項目について取り扱いが記載されています

居宅介護支援

居宅介護支援については4項目の取り扱いが紹介されています

居宅介護サービス計画書(ケアプラン)の記入例について

居宅介護サービス計画書(ケアプラン)の記入例が紹介されており、

  • 「居宅サービス計画書作成の手引」(発行(財)長寿社会開発センター)
  • 「居宅サービス計画ガイドライン」(発行(福)全国社会福祉協議会)

等の市販の参考書籍、また、実務研修における「居宅サービス計画等の作成」、「専門研修」における事例研究等の研修課程が紹介されています

広く紹介しており、特定はしていない感じの取り扱いです

居宅サービス計画書の更新の時期の明確化について

基準等色々書いてありますが、

  • モニタリングを行い、利用者の解決すべき課題の変化が認められる場合等に応じて居宅サービスを変更
  • 要介護認定を受けている利用者が法第28条第2項に規定する要介護更新認定を受けた場合
  • 要介護認定を受けている利用者が法第29条第1項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合

上記の場合は、居宅サービス計画書の更新(変更)を求めており、周知徹底するとされています

元々、定義されていた所、ローカルルールがあるために再整理された感じです

緊急入院等におけるモニタリングの例外について

モニタリングの実施において、「特段の事情」のない限り、少なくとも1月に1回は利用者の居宅で面接を行うとされていますが、

利用者の事情により、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接することができない場合は「特段の事情」に該当し、必ずしも訪問しなければ減算となるものではないと整理されました

ただし、入院・入所期間中でもモニタリングをしていく必要性はあることから、その後の継続的なモニタリングは必要となるものであるとも書かれています

「家族旅行」などで、ショートステイを利用する際のサービス担当者会議とモニタリングの取扱について

  • 基本的にはケアマネジメントの一連のプロセスの基本方針に応じて進めていくことが必要
  • より効果的・効率的な支援を実施することが可能な場合は、必ずしも同基準に掲げるプロセスの順序に固執するものではない

と書かれています

例示があり、

例えば、困難事例への対応に関して、関係機関が集まって、それぞれの機関が把握している情報を共有し、まずは現状の評価を行うという場合について、サービス担当者会議とモニタリングを同時に行うことも考えられる

と書かれています

家族旅行などの場合の担当者会議とモニタリングの同時開始について書かれているのに、例示は困難事例におけるケース例が上がっており、結果的にどのラインまで同時開催できるか、いまいちイメージが湧かない感じです

取り扱いや例示を元に自治体判断という形なんでしょうか?簡単にOKというわけではなさそうです

ケアマネジャーとしては、実地指導で突っ込まれないように、少なくともより効果的・効率的な支援を実施することが可能な理由付けを支援経過などに記載していおく必要はありそうです

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介護予防支援

介護予防支援については、委託事務手続き、評価表の記載についての2項目について取り扱いの整理がされています

地域包括支援センターの指定介護予防支援業務の委託に関する事務手続きについて

  • 利用者は地域包括支援センターと委託先の居宅介護支援事業者の両者と契約する必要はな
  • 利用者、地域包括支援センター、委託先の居宅介護支援事業所の三者の間の役割分担上の混乱を避ける観点から、一定の取り決めを行うことも想定される

と整理されました

介護予防支援業務における介護予防支援・サービス評価表の記載内容について

  • 保険者において個別に最良の様式を定めていることから、個々の評価表において記載されている内容にある程度差が生じることは想定

国においては「介護予防支援業務に係る関係様式例の提示について」において標準様式を示しているため、参考にしてほしいと書かれている程度になっています

ホームページで検索してみると、自治体ごとに介護予防支援マニュアルを作成している所もあり、独自書式もあるようです

ケアプランの軽微な変更の内容について(ケアプランの作成)

基本的な考え方として、

基準においてケアプラン作成にあたっての一連の業務を行うことを規定。「利用者の希望による軽微な変更(サービス提供日時の変更等)を行う場合には、この必要はないものとする。」と定義されています

サービス提供の曜日変更

  • 利用者の体調不良、家族の都合など臨時的、一時的なもので、単なる曜日、日付の変更等の場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

サービス提供の回数変更

  • 同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる

利用者の住所変更

  • 利用者の住所変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる

事業所の名称変更

  • 単なる事業所の名称変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる

目標期間の延長

  • 単なる目標設定期間の延長を行う場合(ケアプラン上の目標設定(課題や期間)を変更する必要が無く、単に目標設定期間を延長する場合など)については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる

福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合

  • 福祉用具の同一種目における機能の変化を伴わない用具の変更については、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。

目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更

  • 目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更については、「軽微な変更」に配当する場合があるものと考えられる

目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合

  • 第一表の総合的な援助の方針や第二表の生活全般の解決すべき課題、目標サービス種別等が変わらない範囲で、目標を達するためのサービス内容が変わるだけの場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる

担当介護支援専門員の変更

  • 契約している居宅介護支援事業所における担当介護支援専門員の変更(但し、新しい担当者が利用者はじめ各サービス担当者と面識を有していること。)のような場合には、「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる

ケアプランの作成における軽微な変更の項目についてはそれぞれ、

これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第11号(居宅サービス計画の交付)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである

と但し書きが書かれています

ケアプランの軽微な変更の内容について(サービス担当者会議)

基本的な考え方としては、

基準の解釈通知のとおり、「軽微な変更」に該当するものであれば、例えばサービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。しかしながら、例えば、ケアマネジャーがサービス事業所へ周知したほうが良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される

とされています

サービス利用回数の増減によるサービス担当者会議の必要性

  • 単なるサービス利用回数の増減(同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減など)については、「軽微な変更」に該当する場合もあるものと考えられ、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない

但し書きで、ケアマネジャーはサービス事業所へ周知した方が良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される

とされています

ケアプランの軽微な変更に関するサービス担当者会議の全事業所招集の必要性

  • ケアプランの「軽微な変更」に該当するものであれば、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない

また、軽微な変更の場合、サービス担当者会議を開催する必要がある場合には、必ずしもケアプランに関わるすべての事業所を招集する必要はなく、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される

とされ、軽微な変更でも照会が必要と整理されています

「利用者の状態に大きな変化が見られない」の取扱い

「利用者の状態に大きな変化が見られない」の取扱いについては、まずはモニタリングを踏まえ、サービス事業者間(担当者間)の合意が前提である

とされ、ケアマネジャー独断ではなく、チーム内の合意が前提とされています

具体的には、

  • 「健康状態(既往歴、主傷病、病状、痛み等)」
  •  「ADL(寝返り、起き上がり、移乗、歩行、着衣、入浴、排泄等)」
  • 「IALD(調理、掃除、買い物、金銭管理、服薬状況等)」
  • 「日常の意思決定を行うための認知能力の程度」
  • 「意思の伝達、視力、聴力等のコミュニケーション」
  • 「社会との関わり(社会的活動への参加意欲、社会との関わりの変化、喪失感や孤独感等)」
  • 「排尿・排便(失禁の状況、排尿排泄後の後始末、コントロール方法、頻度など)」
  • 「褥瘡・皮膚の問題(褥瘡の程度、皮膚の清潔状況等)」 「口腔衛生(歯・口腔内の状態や口腔衛生)」
  •  「食事摂取(栄養、食事回数、水分量等)」
  • 「行動・心理症状(BPSD)(妄想、誤認、幻覚、抑うつ、不眠、不安、攻撃的行動、不穏、焦燥、性的脱抑制、収集癖、叫声、泣き叫ぶ、無気力等)」

等を総合的に勘案し、判断すべきものである。

とされています

暫定ケアプランについて

看取り期など限定的な局面時における暫定ケアプラン作成時のプロセスの取扱いについて

  • 暫定ケアプランについて、利用者の状態等を踏まえ、本ケアプラン(原案)においても同様の内容が見込まれる場合(典型的には看取り期が想定されるが、これに限られない。)は、暫定ケアプラン作成の際に行った「指定居宅支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成11年3月31日厚令38)の第13条に掲げるケアマネジメントの一連のプロセスについて、必ずしも改めて同様のプロセスを踏む必要はない

と整理されました

看取り期に限らないとされているので、自治体に拡大解釈してもらえれば、業務負担につながる感じです





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まとめ

以上、介護保険最新情報 Vol.959に「居宅介護支援等に係る書類・事務手続や業務負担等の取扱い」のポイントまとめでした

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最後までお読みいただきありがとうございました

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